【6月8日 AFP】女性は何千年にもわたり、月経と付き合ってきた。時代と共にタブー視される度合いが変わり、向き合い方も変わった。

■タブーではない時代も

 人類の歴史において、ごく最近まで月経のメカニズムはほとんど理解されていなかった。

 古くは否定的に捉えられることも多く、経血は不浄、月経は呪いだと考えられることもあった。

 フランスの歴史家ナエマ・アナフィ(Nahema Hanafi)氏はAFPに対し、15世紀以降、規則正しい月経周期を促すため「かん腸などの治療を受けたり、運動をしたり、通経作用のあるハーブを摂取してきたりした」と話した。

 月経について教えるのは、初潮を迎える年齢の少女の家族や共同体の仕事だった。

 中世や近世では、月経は一族全体に関わる重要な健康問題とされ、男女ともに月経について話し合ったとアナフィ氏は指摘する。

 高貴な女性は父親や叔父への手紙の中で、月経の記録を報告することもあった。

 しかし、19世紀の欧州では中産階級の台頭とともに新たな社会規範が生まれ、月経はタブー視されるようになったという。

 慎み深さが女性の美徳とされた。アナフィ氏は、「こうした変化の中、肉体と性に関するすべてのことは女性の目から遠ざけられ、知ることはおろか、話すこともできなくなった」と指摘する。

■ホックで留めた布切れ

 女性は歴史上、主にスカートかワンピースを着ていた。

 農家の女性は経血を垂れ流しにしていた。

 中・上流階級の女性は、衣類に布を結んだり、ホックで固定したりして経血を受け止めた。

 昔の女性は妊娠している期間が多く、現代の女性に比べ生涯の月経回数は少なかった。初潮を迎える年齢も今に比べると遅い。

 仏国立人口研究所(INED)によると、初潮の年齢は1750年には16歳前後だったが、現在では平均12.6歳となっている。