■生理用品の登場

 最初期の生理用品は19世紀の終わりごろ、米国や英国などを中心に登場した。

 月経と衛生の歴史に関する著書もある、米パデュー大学(Purdue University)のシャラ・ボストラル(Sharra Vostral)教授(歴史学)は「米国と英国で発売された初期の品は粗雑で大きく、質もあまり良くなかった」と話す。

 企業が大々的に宣伝したこともあり、1920年代には生理用ナプキンが広く使われるようになった。30年代にはタンポンが普及した。

 ボストラル氏は「生理中の女性にはできないことが多いと考えられていた」と指摘した。

 生理用品は、女性が「生理を隠し、偏見を乗り越える」のに一役買った。それが人気となった理由の一つだという。

 月経カップが最初に発売されたのは1930年代だが、普及したのは2000年代だった。

■海綿スポンジと布ナプキン

 近年では布ナプキンや海綿スポンジ、吸水タイプの下着なども登場。選択肢が広がっている。

 ソーシャルメディアの普及も、月経に関する議論を活性化させ、意識の向上に寄与した。広告では長年、経血を青い液体で表現してきたが、赤い液体に変更する会社も現れた。

 こうした動きは月経にまつわるタブーがなくなりつつある兆候なのだろうか。

 月経にまつわる著作があるエリーズ・ティエボー(Elise Thiebaut)氏は、月経の捉え方は過去5年で非常に良い方向に変わったものの、それはあくまで「一部の人間、一部の世代、一部の国でのことにすぎない」と指摘した。(c)AFP/Vanessa CARRONNIER