【5月31日 AFP】ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は31日、ウクライナ問題に端を発し拡大しつつある世界的な食糧危機について、これを解決できるかどうかは西側諸国とウクライナの行動次第だとの見方を示した。

 ロシアによるウクライナ侵攻と西側の制裁により、ウクライナ・ロシア両国で生産された小麦などの産品の輸出が滞っており、世界中で飢餓の懸念が増大している。

 ラブロフ氏は訪問先のバーレーンで行った記者会見で、西側諸国は「ロシアの船舶を港から締め出し、輸送・経済ネットワークを妨害することにより、多数の問題を人為的に生み出している」と指摘した。

 その上で、「西側は、食糧安保問題を吹聴することと、問題解決に向けて具体的な措置を講じることの、どちらがより重要なのかを真剣に考える必要がある」と訴えた。

 ロシアとウクライナの小麦生産量は、世界全体の3割を占めている。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は30日、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と電話で会談した際、ウクライナからの貨物の自由な海上輸送に向け、トルコと連携して協力する用意があると述べた一方で、世界的な食糧不足は西側諸国の「近視眼的」政策によるものだと批判していた。(c)AFP