【5月29日 AFP】イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)を保有するロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏が、クラブの売却を目前に控え、オーナーを務められたことは「生涯の栄誉」だと述べた。

 チェルシーは3月、ロシアのウクライナ侵攻を受けてアブラモビッチ氏が英政府に制裁を科される直前からオーナー変更に向けて動き出し、米大リーグ(MLB)、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)の共同オーナーを務める米投資家トッド・ボーリー(Todd Boehly)氏のコンソーシアムによる買収が30日には完了する見込みだと発表されている。英政府とリーグも42億5000万ポンド(約6780億円)での買収を承認している。

 これについて、アブラモビッチ氏は「今回の試みがうまく決着しそうなことを喜んでいる」と発表し、「このクラブの一員になれたのは生涯の栄誉だ」と話した。

「チェルシーを新たな管理者へ引き渡すにあたって、彼らのピッチ内外での成功を心より祈っている」

 アブラモビッチ氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と非常に近しい間柄だと英政府からみなされており、欧州連合(EU)からも制裁を科されている。英政府は売却益が同氏の手元に入ることを望んでおらず、かわりに慈善目的で使用される凍結中の口座へ入金されることになっている。

 売却の認可には、ポルトガル政府も関わっている。アブラモビッチ氏はポルトガルの旅券を取得しており、同国政府の承認が必要だった。

 アブラモビッチ氏は「クラブのこれまでの、また現在の選手とスタッフ、そしてもちろんファンに、信じられない日々への感謝を伝えたい」と話した。(c)AFP