中国は中医学の「近代化」を促そうとする
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【5月24日 CNS】世界保健機関(WHO)はこのほど報告書を発表した。報告書では、新型コロナウイルスの予防と治療における中医学(中国の伝統医学)の有効性を認め、中医学と西洋医学の併用を検討するよう加盟国に奨励している。中国も中医学の近代化を促進させ、中医学が国際的にも有望なものとなるよう努力している。
中国はこのほど、「第14次五か年計画中医薬発展計画」を発表した。「計画」によると、中国は中医学の科学技術性と規範性から着手し、中医学の近代化、国際化のレベルを高めていくという。
「計画」は、中医学の科学技術イノベーションの向上に重点を置いている。今後数年間、中国は中医学の治療効果・安全性評価、新薬の研究開発、スマート診断などの分野で研究センターを建設し、人材育成を重視する。
中医学の重要な価値は、その医学思想と治療の考え方にあり、中医学が体現する全体観、未病治療、弁証論治などの思想が、現代医学以外の病気の予防と治療に関する新しい考え方を切り開いたとされている。もし、それらが現代の科学技術で実現すれば、さらに大きな効果を発揮するだろう。
「計画」は、中医学の標準化・規範化の向上に重点を置いている。中国は中医治療の品質管理とコントロールシステムを健全化し、カルテと薬事管理の規範化や、漢方薬の合理的な使用を促していく。
近年、中医学の標準システムも絶えず改善・更新されている。2021年10月、中国国家標準委員会は、新版「中医病症分類・コード」、「中医学用語シソーラス作成規則」を含む2つの国家標準と6つの国家標準化指導技術文書を発表した。
近年、中医学は関連する国際機関や組織からの評価も高まり続けている。WHOの報告によると、「漢方薬は新型コロナウイルスの治療に効果があり、軽症型・普通型の重症化のリスクを減らし、ウイルス除去にかかる時間を短縮し、軽症型・普通型の患者の臨床予後を改善することができる」とされている。2011年、中国古代の医学書である「黄帝内経」と「本草綱目」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)が主催する「世界の記憶」に選定された。2019年、世界保健総会(WHA)で国際疾病分類第11版(ICD-11)が採択された。中医学を中心とした伝統医学の章が盛り込まれ、伝統医学が医学分類の主流に組み込まれたのは初めてとなっている。
中医学をより多くの人に理解してもらうためには、技術化や標準化によって近代化を図るだけでなく、中医学の考え方の特徴を理解してもらう必要がある。中医学の考え方の中で、個別化医療は重要なポイントだが、基準を設けるということは、この考え方を否定することになるのだろうか。それは、容易ではないが、中国も中医学の法則に合う一連の業界標準を模索している。北京中医薬大学(Beijing University of Chinese Medicine)根拠に基づく医療(EBM)中医薬臨床研究・評価センターの劉建平(Liu Jianping)主任によれば、中医治療ガイドラインは、「病因・病機、原理、原則、処方、薬の全体が明確で、治療の基本原則と方法は実際の診療に即す」という要件を満たす必要がある。例えば、エビデンスに応じて、分類に基づく薬の加減原則が挙げられる。ガイドライン自体はあくまで方向性を示すもので、臨床応用にはある程度の柔軟性があり、中医学における個別化治療の特徴に適合させるべきだという。(c)CNS/JCM/AFPBB News