【4月27日 CNS】コロナ禍が続く中、中国では「テントブーム」が起きている。「密」を避けて自然の中で過ごすプチ旅行を楽しんでいる。 

 清明節連休(4月3~5日)、広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)南寧市(Nanning)の邕江(ヨウ江、Yong River)のほとりでは、何千ものテントが河川敷に並んでいた。子どもたちは追いかけっこをして遊び、家族でおいしい食事を楽しんだ。

 オンラインショッピングモール「天猫(Tmall)」では4月5日までの1週間、キャンプ用テントの販売数が約6万張に達した。アウトドア用品店では「テントは売り切れました」と張り紙がされ、それでも市民からの問い合わせが相次いだ。

 旅行サイト「去哪儿(Qunar)」運営担当の楊光会(Yang Guanghui)さんは「コロナ禍の発生以来、人々の旅行は制限されており、キャンプに代表される『マイクロツーリズム』の人気が高まっている」と説明する。花見が楽しめる都市公園や郊外の無料キャンプ場が多く利用されている。多くのキャンプ場が水道、電気、調理場、子ども向け遊具をセットで提供しており、一部のキャンプ場では売り上げが前年比の2倍になった。

 テントブームは、最近の環境改善の恩恵も受けている。南寧市民の胡一新(Hu Yixin)さんは「数年前まで、江の河川敷は野菜畑や運転教習所、レストランなどがあり、砂地のところも多かった。キャンプをする環境ではなかったが、今は緑豊かな空間に変わった」と振り返る。南寧市住宅建設局の呉智(Wu Zhi)副局長は「市は近年、邕江沿岸の緑化と美化に力を入れている」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News