【5月21日 AFP】男子プロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)は20日、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2022)がロシアのウクライナ侵攻を理由にロシアとベラルーシの選手の大会出場を禁止したことへの対抗措置として、今年の同大会では世界ランキングのポイントを付与しないと発表した。

 ATPは「非常に遺憾で不本意ではあるが、2022年のウィンブルドンではATPランキングを付与しない以外に選択肢はない」と表明。「われわれの規則と合意は、総じて選手の権利を守るために存在している。このような一方的な決定を放置すれば、残りのツアーにとってあしき前例となる」と説明し、「個々の大会による差別は断じて通用しない」と強調した。

 その後WTAもATPと足並みをそろえ、今年のウィンブルドンをポイントの対象から除外することを発表。国際テニス連盟(ITF)も、ジュニアと車いすの各部門におけるポイント付与を拒否することを決めた。

 その一方でATPは「関係者全員が受け入れられる結果を導くために、ウィンブルドンとさらなる議論を行えることを期待している」とも述べ、袋小路にはまっている現状の解決に含みを持たせた。

 今回の決定により、四大大会(グランドスラム)から豪華なエキシビション大会になり下がりかねない状況に置かれたウィンブルドン。大会を主催するオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)は「過度な」動きだと反発し、両統括団体に対して「深い失望感」を示した。

 今年のウィンブルドンは6月27日に開幕する。(c)AFP/Dave JAMES