【5月7日 AFP】米疾病対策センター(CDC)は6日、原因不明の急性肝炎を発症した子ども109人について調査しており、うち5人が死亡したと発表した。

 同様の症例は世界各国で数百件確認されており、インドネシアでも今週、3人の死亡が報告されていた。CDCのジェイ・バトラー(Jay Butler)副所長(感染症担当)は、「国内外、世界中の調査当局が、原因究明に懸命に取り組んでいる」としている。

 CDCは先月、米国内の医師や保健当局に対し、同様の症例についての注意を喚起。昨年10月1日以降の症例について調査を始めていた。患者の90%が入院し、14%は肝移植が必要となったが、大半は完全に回復している。

 半数以上の患者は「アデノウイルス41型」の検査で陽性だった。同ウイルスは通常、胃腸炎の原因となるもので、健康な子どもで肝炎を引き起こすことはない。バトラー氏は、アデノウイルスが「注目すべきウイルス」リストの筆頭にあるとした。

 新型コロナウイルス感染対策のロックダウン(都市封鎖)によって数年間抑えられていたアデノウイルスの感染者数が増加している可能性や、より危険な変異株が出現した可能性が考えられる。CDCはこの他、自宅内のペットの存在などの環境要因や、新型コロナウイルスが関係している可能性についても調べているが、新型ウイルスワクチンの接種は原因でないとの見解を示している。(c)AFP