ハンガリー、ロシア原油禁輸案に反対 ウクライナは「共犯」と警告
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【5月5日 AFP】ハンガリーのシーヤールトー・ペーテル(Peter Szijjarto)外務貿易相は4日、対ロシア制裁の一環として欧州連合(EU)が提案したロシア産原油の禁輸措置について、現在の形では支持できないと表明した。ウクライナは、禁輸措置を妨害するEU加盟国はロシアの「共犯」となると警告した。
EUの提案では、原油は半年以内、石油精製品は年末までに輸入が段階的に廃止される。ロシア産の石油に大きく依存しているハンガリーとスロバキアは来年末までの猶予が与えられた。発動には全加盟国の合意が必要となる。
シーヤールトー氏はフェイスブック(Facebook)に投稿した動画で、提案された禁輸措置はハンガリーのエネルギー供給を「完全に破壊するもの」だと指摘。パイプライン経由で運ばれる原油が除外されるのであれば、ハンガリーは禁輸を支持すると述べた。
ハンガリー政府によると、同国の石油の65%、ガスの85%はロシアから供給されている。近年ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と緊密な関係を築いてきたハンガリーのオルバン・ビクトル(Viktor Orban)政権は、同国のロシア産エネルギーへの依存を理由に、ロシアに対する禁輸措置に反対する立場を長く取ってきた。
一方、ウクライナのドミトロ・クレバ(Dmytro Kuleba)外相は4日、ロシア産原油の禁輸措置を妨害するEU加盟国は「ロシアがウクライナ領土で働いた犯罪の共犯と言えるだけの理由がある」と、ソーシャルメディアに投稿した。(c)AFP