【4月13日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は13日、ロシアがウクライナで「ジェノサイド(集団殺害)」を行っているとジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領が発言したことについて慎重な姿勢を示し、強い非難の言葉を使うことは戦争終結の助けにならないと訴えた。

 バイデン氏は12日、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領指揮下のロシア軍がウクライナで「ジェノサイド」を行っていると発言。マクロン氏は国営テレビ、フランス2(France 2)の取材に対し、国の指導者は使う言葉に注意を払うべきだと述べた。

 同氏は「ロシアは一方的に残忍な戦争を仕掛けたと言えるし、今ではロシア軍が戦争犯罪を犯したと認知されている」「今起きていることは狂気であり、信じ難いほど残忍だ」と認めた。

 その上で、「けれど同時に、私は事実を見つめ、この戦争を止め、平和を再建するためにできる限りの努力をしたい。非難の言葉を強めることはその助けにならないのではないかと思う」と述べた。

 マクロン氏は現状において、特に「ウクライナ人とロシア人は兄弟のようなもの」であり、ジェノサイドという言葉の使用には「慎重」であるべきだとした。

 一方、ロシアはジェノサイドを行っていると侵攻開始以来繰り返し非難してきたウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、バイデン氏の発言を歓迎した。(c)AFP