マンホールに息子の遺体、泣き崩れる母親 ロシア軍撤退後の爪痕
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【4月11日 AFP】ウクライナの首都キーウ近郊にある破壊されたガソリンスタンドの裏で、女性が泣き崩れた。のぞき込んだマンホールの中に、23歳の息子ともう一人別の男性の遺体があるのを目にした直後のことだった。「私の坊や」と、女性の悲痛な声が響いた。
ウクライナ北部からロシア軍が撤退して以来、ウクライナ当局は後に残された惨状の確認に追われている。
AFP取材班は10日、首都キーウから西に15キロ離れたブゾワ(Buzova)村付近のガソリンスタンドのマンホール内で、男性2人の遺体を目にした。
男性は水に漬かっており、軍の寝具が一部を覆っていた。しかし、特徴のある靴を見た女性は、わが子と確信した。
悲しみに打ちひしがれた女性は、マンホールの縁から動こうとしなかった。その場から離れるよう促されても、「もう少しの間、あの子を見せて」「私はどこにも行かない」と拒み、涙を流した。
村の関係者によると、マンホールで見つかった2人は予備役である国民防衛隊の隊員で、先月16日から行方不明になっていた。死因は現時点では不明だが、1人は頭部から出血していた。
マンホールから水がくみ出されると、警察は周囲に規制線を張り、警官1人が内部に入った。
細いロープがくくり付けられた最初の遺体が10人がかりで引き揚げられた。1人目の男性よりも体重が軽かった女性の息子の遺体は、9人の力で収容された。
息子の遺体が地面に横たえられると、女性は規制線をくぐって駆け寄った。「見せて」「私は見たい」と懇願する母親を、男性4人が制止した。(c)AFP/Joe STENSON