【4月10日 AFP】パキスタン下院(定数342)は10日、イムラン・カーン(Imran Khan)首相に対する不信任決議案を賛成多数で可決した。カーン氏は失職した。不信任決議での首相失職は同国では初めて。

 新首相の選定は11日に行われる。最大野党「パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)」のシャバズ・シャリフ(Shehbaz Sharif)総裁が選ばれる公算が大きい。

 不信任案提出に対抗し、カーン氏は下院を解散し選挙の実施を呼び掛けたが、最高裁判所が先週、違憲と判断。下院の再招集と不信任案の採決を命じた。

 採決では、連立与党のパートナーやカーン氏率いる「パキスタン正義運動(PTI)」の一部が造反し、決議案可決に必要な172票を超える174票が賛成に回った。カーン氏に忠実な下院議長は採決直前に辞任。カーン氏は欠席した。

 カーン氏は、米国の中東政策に反対する自分に対し、PML-Nと「パキスタン人民党(PPP)」が組んで米国と共謀し「政権交代」を画策したと主張している。カーン政権は物価高騰や通貨下落、過剰債務への対処に苦慮していた。(c)AFP