【2月20日 AFP】パキスタンのラワルピンディ(Rawalpindi)で18日、「バサント(Basant)」と呼ばれる伝統的な春のたこ揚げ祭りが行われた。当局の禁止にもかかわらず、多くの若者が屋根の上から色とりどりのたこを揚げた。

 この祭りでは過去に酸を染み込ませた糸や細いワイヤが「けんかだこ」のために使われ、バイクで通行した人が喉を切るなど深刻な負傷や事故が相次いだ。そのため当局は2007年から開催を禁止している。

 しかし、春一番の到来をたこ揚げで祝うバサントが消えることはなかった。

 薬剤師のラジャ・ラミーズ(Raja Rameez)さん(21)は、自宅の屋根から一緒にたこを眺めようと友人数十人を招いた。「祭りに命を懸ける価値はない。でも、パキスタンの若者には選べる娯楽があまりない」と話す。

 今年は1500人を超える警官が双眼鏡や無人機(ドローン)を使ってたこ揚げを探し、多くの若者を相手に追跡劇を繰り広げた。警察によると少なくとも220人が逮捕された。違反者に科される罰金は最高10万パキスタン・ルピー(約6万5000円)。(c)AFP