中華邸宅をダイビングスクールに 開発進むバンコクで歴史保存
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■「歴史の強奪」
文化省は文化財のデータベースを運用している。たが、パチャー氏によれば、登録されずに、老朽化している建物が多い。
チーク材でできた木造住宅のコレクター市場の過熱も課題だという。解体され、別の場所に移転され、組み立て直されブティックホテルに改装される建物もある。
「こうした建物は元の場所にとどめるべきだ。バンコクから(歴史を)奪っていることになる」とパチャー氏は指摘した。
写真家のベン・デービス(Ben Davies)さんは、自身の写真集「Vanishing Bangkok(消えゆくバンコク)」の撮影のため、5年間をこの地で過ごした。
デービスさんは、自分が写真に収めた建物や町の30~40%は姿を消すか、まったく分からないほど形を変えてしまうだろうと指摘する。10年後、バンコク市内の建物がどれくらい残っているかは分からないと話す。
「バンコクはいつの日か、寺院や宮殿などを除いて、特徴の大部分を失い、他との区別がつかないアジアの大都市の一つになってしまうのではないかと恐れている」
困難な状況であることに変わりはないが、変化の兆しもみられる。
著名な中国系タイ人一族が最近、老朽化していた1850年代に建てられた川沿いの商船用船着き場を、「ロン1919(Lhong 1919)」という商業施設に改装した。
中国の神を祭る寺院の他、展示・コンサート用スペースがあり、期間限定ショップやカフェ、キッチンカーなどが出店している。
一方、ソー・ヘン・タイでは、プーンサックさんがそれぞれのペースに合わせてダイビングを教えている。
「枕一つ、布団1枚」でタイに移住して来た先祖の思いを受け継ぎ、実家を守ろうと決意している。
「誰かがいい話を持ち込んできたとしても、いくらお金を積まれても、答えはノーだ」とし、邸宅を売るつもりはないと語った。(c)AFP/Lisa MARTIN