【3月24日 AFP】アフガニスタンの首都カブールで、アティヤ・アジミ(Atiya Azimi)さんは、一晩中かばんの中身を詰め直していた。あすはイスラム主義組織タリバン(Taliban)が実権を掌握して以来、初めて学校に戻ることができるので、興奮していた。

 しかし、アジミさんの興奮は瞬く間にしぼんだ。

 カブールのザルゴナ女学校(Zarghona Girls School)が再開してからわずか数時間後、12年生の授業を受けている最中に、タリバンが女子教育再開を取り消したことを知った。「次の命令があるまで来ないように言われた」

 アジミさんは「私たちが何か悪いことをしたの? どうして女性や少女がこんな目に遭わなければいけないの? 授業を再開してほしい」と訴えた。「昨日は学校に戻れると思って夜も眠れなかったのに」

 アフガン各地では約1年にわたって、女子の中等教育が停止されている。

 タリバンが実権を掌握した昨年8月は、新型コロナウイルスの影響で全学校が閉鎖されていた。だが、2か月後の再開時に通学を許可されたのは男子と小学校に通う女子だけで、女子中等教育は大部分の地域で禁止された。

 教育省は、教育年度の始まりに当たる23日に合わせ、女子の中等教育を再開すると発表していた。

 だが、わずか11時間での方針転換は、生徒や親、教師にさえも衝撃を与えた。

 4人の娘がいるアミナ・ハイダリ(Amina Haidari)さんは「タリバンの声明はすべてが単なるプロパガンダだ。学校をもう一度再開するとは思えない」と語った。

 23日朝は各地で、かばんや教科書を手に登校し、満面の笑みで友達とおしゃべりする女子生徒の姿が見られた。

 カブールに位置する国内最大規模の女子校の一つ、ラビア・バルキ(Rabia Balkhi)では、校門を通ることさえできなかった。入れてくれるよう嘆願する生徒もいた。

 2人の娘を連れて来た女性は「学校に入れてもらえなかった。娘たちがかわいそうだ」と語った。ヒジャブ(頭と首を覆うスカーフ)を着用した2人の娘は泣いていた。

 11年生の女子生徒は「ヒジャブ着用などタリバンが求めるすべてに応えようと私たちは思っている。私たちが教育を受けるのを止めないでほしい」と訴えた。(c)AFP/Aysha Safi