【3月15日 AFP】ミャンマーの最大都市ヤンゴンで14日、バケツやたらいを手にした市民が、水を求め列をつくった。昨年の軍事クーデターで経済危機に陥り、輪番停電が頻繁に行われている。

 軍事政権は先週、ガス価格の上昇と、反体制派によるインフラへの攻撃を理由に、すでに不安定な電力供給が向こう1週間はさらに減少すると発表していた。

 人口700万人のヤンゴンでは、家庭や職場で定期的に停電が発生しているほか、水が出なくなっている家庭も多い。

 ヤンゴン北東部に住むコアウン(Ko Aung)さん(40)は、「調理なら炭を使えばいいが、水なしでは生きられない」と訴えた。近所に来ていた給水車には30人ほどが並んでいた。

 ミャンマーの電力網は古く、需要が急増する夏には電力不足となる。

 給水ボランティアチームを率いるトゥントゥン(Htun Htun)さんは「3月初旬から毎日150~200件ほど、給水をしてほしいという電話を受けるようになった」とAFPに語った。

「夏の水と電力不足は毎年のことだが、今年はひどい」

 ヤンゴンの電力会社は昨年7月、利用者が軍事政権への抵抗として料金の支払いを拒否し続ければ、電力供給が影響を受ける可能性があると警告していた。

 軍事政権に抵抗するため多数の公務員が職場を放棄しており、学校や大学、病院には人がいない状況が続いている。このため、軍事政権は税金の徴収に苦労している。(c)AFP