【3月10日 AFP】英国赤十字社(British Red Cross)など15団体でつくる英災害緊急委員会(DEC)は10日、ロシアの侵攻を受けているウクライナで、数百万人の高齢者と障害者が避難できず「高い危険」にさらされていると警告した。

 すでに200万人以上が国外に避難したが、DECは「高齢者と障害者が取り残される恐れがあり、保護と支援を急いで行う必要がある」としている。

 欧州障害者フォーラム(European Disability Forum)によると、ウクライナには60歳以上の高齢者が700万人以上、障害者が270万人いる。

「多くは移動手段を持っておらず、攻撃を受けている地域から脱出することも、爆撃を逃れてシェルターに避難することもできずにいる。暴力や介護放棄のリスクにもさらされている」とDECは述べている。

 DECによれば、高齢者の約8割が「激しい砲撃と空爆による断水のため、清潔な飲料水を十分得られていない」と訴えている。また、高齢者の3分の1以上が慢性疾患で医薬品を緊急に必要とし、4分の3が歯磨き粉やせっけん、トイレットペーパーといった衛生用品を必要としているという。

 2014年から紛争が続く東部ドンバス(Donbas)地方で行われた調査では、高齢者の90%以上が食料の調達に支援を必要とし、気温が氷点下まで下がっても自力で暖房をつけられない状態だとの結果が出た。(c)AFP