【3月4日 AFP】ボクシングの世界王者からサッカーのスター選手まで、ウクライナではトップレベルのアスリートがロシアの侵攻に抵抗している。中には帰国し、武器を手にしている選手もいる。

■ボクシングのクリチコ兄弟

 元世界ヘビー級王者で現在は首都キエフの市長を務めるビタリ・クリチコ(Vitali Klitschko)氏は、ロシアが侵攻してくる前から「戦う準備はできている」とAFPの取材で語っていた。

 クリチコ氏は2014年にキエフの独立広場(Independence Square)で行われた抗議デモを先導した人物で、「射撃場に通っている。どんな武器でも撃つことができる」という。

 同じく元ヘビー級王者の弟ウラディミール(Wladimir Klitschko)氏も、今回の戦いに志願した。

■「殺したくない」

 現世界ヘビー級王者のオレクサンドル・ウシク(Oleksandr Usyk)は、アンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)との再戦でタイトル防衛を目指すことが年初の考えだったが、現在は家族を守るためにウクライナに戻っている。

 母国への侵攻が始まってすぐに帰国したウシクは、キエフにある自宅の地下室で応じた米CNNのインタビューで、「家や妻、子どもたち、そして近しい人々を守っている」と話した。「撃ちたくないし、殺したくもない」と言うが、攻撃を受けた場合はやり返すしか「選択肢はない」だろうとも語った。

 元世界ライト級王者で2個の五輪金メダルに輝くワシル・ロマチェンコ(Vasyl Lomachenko)も、オデーサ(Odessa)州のビルホロドドニストロフシキー(Belgorod-Dnestrovsky)の町を守るために帰国。自身のフェイスブック(Facebook)に、肩からライフルを下げている軍服姿の写真を投稿している。