【2月28日 AFP】米IT大手メタ(Meta、旧フェイスブック、Facebook)は27日、ソーシャルメディアでなりすましアカウントや乗っ取りアカウントを利用したロシア政府寄りのグループが、ウクライナを西側諸国の二枚舌外交の駒であるかのように誤解させる偽情報キャンペーンを展開していると発表した。

 同社サイバーセキュリティーチームが、ロシアと関連する複数の偽アカウントを停止したとしている。

 メタによるとこのグループは、「独立系報道機関になりすましたウェブサイトを運営し、フェイスブックやインスタグラム( Instagram)、ツイッター(Twitter)、ユーチューブ(YouTube)、テレグラム(Telegram)、ロシアのアドナクラースニキ(Odnoklassniki)やVKといったソーシャルメディア・プラットフォームに偽アカウントを作成していた」。人工知能(AI)技術で作成されたとみられるプロフィル写真を使った偽アカウントもあったという。

 メタは、ウクライナ国民を対ロシア防衛戦の偽ニュースを報じるウェブサイトに誘導する投稿をしていたフェイスブックとインスタグラムのアカウント・ネットワークについて、ロシアに併合されたクリミア(Crimea)の報道機関であるニュースフロント(NewsFront)とサウスフロント(SouthFront)とつながっていたと指摘した。

 ニュースフロントとサウスフロントは、ロシア情報機関の指示を受けて偽情報を発信していると米国に断定され、制裁を科されている。

 メタはまた、ロシアを拠点に活動しているとされるハッカー集団「ゴーストライター(Ghostwriter)」が、ここ数日ウクライナの軍関係者と記者に対する攻撃を活発化させているとも指摘した。

 典型的な手口は標的にフィッシングメールを送り付け、ログイン情報を盗むというもの。目的は、フェイスブックのアカウントを乗っ取って偽情報へのリンクを拡散することとみられ、ユーチューブに掲載された「ロシア軍に投降するウクライナ兵」の偽動画などが確認できたという。(c)AFP