台湾当局、中国ユニ着た冬季五輪選手を処分へ
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【2月22日 AFP】台湾の蘇貞昌(Su Tseng-chang)行政院長(首相)は21日、北京冬季五輪の開会式で旗手を務めた女子スピードスケートの黄郁テイ(Huang Yu-Ting)が、インターネット上に投稿された映像の中で中国代表のユニホームを着用していたとして、「極めて不適切」な行為と非難した。同選手に対しては調査が行われ、「適切な処分」が科されるという。
中国は長く対立関係にある台湾を自国領土の一部と見なしており、統一のためには軍事介入も辞さないと明言している。
民主主義で自治権を持つ台湾は、自由主義のとりでとして挙げられることが多いが、当局によれば、中国代表のユニホームを着用している映像を1月に投稿して国民感情を逆なでした黄は、処分を科される可能性があるという。
批判が殺到したためこの映像を削除した黄は、ユニホームは中国の友人からの頂き物で、「友情の証しとして」着用したと後に説明した。
北京冬季五輪が閉幕を迎える中、黄は蘇行政院長の指示によって調査を受け、「適切な処分」が科されると当局は明かした。
黄の行動に対して調査が行われていると改めて述べた蘇行政院長は、記者団に「代表チームのアスリートはわれわれの国の威厳と名誉を保つべきだ」とコメント。また「彼女の行動は極めて不適切であり、国民の期待を裏切った」と述べた。
北京冬季五輪に出場した台湾代表4選手のうちの一人である黄は、北京での大会を「アットホーム」に感じると中国メディアのインタビューで述べ、大会期間中にさらなる怒りを買っていた。
フェイスブック(Facebook)で自身を擁護した黄だが、その後はアカウントを削除している。
そこで「スポーツはスポーツのままにしておいて。スポーツの世界では国籍を区別しない」と記した黄は、「プライベートになればわれわれ全員が良い友人」と続けた。(c)AFP