引退の英五輪選手「良心あると感じられない」 IOCを痛烈批判
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【2月19日 AFP】19日に行われた北京冬季五輪のフリースタイルスキー男子ハーフパイプで、現役最後の競技に臨んだ英国のガス・ケンワージー(Gus Kenworthy)が、演技後に国際オリンピック委員会(IOC)を「拝金主義」と批判し、組織として「良心があるとは感じられない」と話した。
30歳のケンワージーは中国の人権状況について「ひどい」と口にするなど、同国での五輪開催を決めたIOCを厳しく批判してきた。今週にはAFPの取材に対し、中国に滞在している間は「慎重」にしていると話していたが、現役最後の戦いを終えると、自身の主張を隠さなかった。
米国代表として出場した2014年ソチ冬季五輪のスロープスタイルで銀メダルを獲得した後、ゲイであることを公表したケンワージー。
これまで五輪における性的少数者(LGBTQ)の権利を声高に訴えてきたが、この日も「疎外されたり、権利を奪われたりしている人々」を手助けするべく、もっと積極的に取り組む姿勢を見せてほしいとIOCに訴えた。
「これは世界的なイベントであり、誰もが見ていて、ポジティブな変化をつくり出せる機会だからだ。IOCは具体的な問題を提起し、そうした変化に影響を及ぼす力になれるはずだ」
競技では強風と凍える寒さに見舞われ、2回目の演技で激しい転倒もあったケンワージーは8位に終わった。
ケンワージーは、主催者が「延期や待機などに関する協議」にアスリートを関わらせなかったと話し、IOCについて「彼らに良心があるとは感じられないときがある。まるで拝金主義の大会だ」と批判。
「五輪は本当に素晴らしいが、同時にテレビショーであることが皆さんもきょう分かったと思う。大会最後の種目の一つだから、延期する手はあまりなかったのだろうが、きょうは本当にひどかった」と嘆いた。(c)AFP