【2月7日 AFP】米国がキューバに禁輸措置を発動してから、7日で60年を迎えた。経済制裁は社会主義国キューバの運命を大きく左右しており、解除の兆しは見えていない。

 1962年2月3日、ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)米大統領(当時)は、対キューバ全面禁輸措置の大統領令に署名。4日後に制裁を発動した。制裁の目的は、キューバが「共産主義勢力と連携」することでもたらされる脅威を緩和することだとされた。

 キューバ政府に路線変更を強制できないまま、禁輸措置は発動から60年たった今も続いている。キューバ当局は禁輸による経済損失は約1500億ドル(約17兆3000億円)に上るとしている。

 キューバは現在、ここ30年間で最悪の経済危機に見舞われている。インフレ率は70%に達し、食品と医薬品は深刻な不足に陥り、主要収入源の観光業は新型コロナウイルス流行で大打撃を受けている。

 キューバ政府は、すべての元凶は米国の経済制裁にあると非難し、米国と対立する中国やロシアに支援を求めている。

 一方、亡命キューバ人は、一党独裁の国家が統制する経済の非効率性や構造的問題も一因だと指摘している。(c)AFP/Carlos BATISTA