羽生結弦選手が中国で大人気 冬季五輪で「葉書雪」が舞い散る
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【1月31日 CNS】「ゆず(中国人ファンの羽生結弦への愛称)最高。北京へようこそ」と、羽生結弦(Yuzuru Hanyu)選手が全日本フィギュアスケート選手権男子シングルフリーで優勝し、五輪出場権を獲得したことを知った中国人ファンは、ソーシャルメディアで感慨深く語った。
羽生選手は日本で最も人気のあるスポーツ選手の一人で、中国でも絶大な人気を誇り、多くのファンを持っている。中国の弾幕動画サイト「ビリビリ動画(bilibili)」で「羽生結弦」をキーワードに検索すると、複数の動画が100万回再生を超え、そのうち「氷上陰陽師」と題したフィギュアスケートのコレクション動画が910万回再生された。
北京冬季五輪の開幕が近づき、羽生選手が五輪に出場できるかどうかはファンの関心の焦点となっていた。2021年12月26日に行われた北京冬季五輪代表選考会を兼ねた全日本フィギュアスケート選手権の男子シングルフリーは、羽生選手の北京五輪出場がかかっているため、中国のネットユーザーも注目していた。この試合の開催に伴い、「羽生結弦 ショートプログラム 111.31点」「羽生結弦 4A」など多くの話題が微博(ウェイボー、Weibo)の人気検索ワードに上がった。中国人ファンは「飛び上がらんばかりに」緊張し、羽生選手の活躍を祈ると表明した。
中国の主流メディアも羽生選手を「偏愛」している。今回の北京冬季五輪に出場する羽生選手が大きな見どころだとして、その動向に注目し、報道している。
中国人ファンの羽生選手への愛情は、「顔に始まり、才能にハマり、人柄にやられてしまう」のだという。ファンの間では、羽生選手の小さい頃からのストーリーと経験が数え切れないほど知れ渡っており、彼の並外れた努力と集中が、人にパワーを与え、自分を奮い立たせるとみている。それに、中国選手に対する好意的な態度も彼に好感を抱かせた。2017年の世界フィギュアスケート選手権で、中国の金博洋(Jin Boyang)選手の国旗がカメラマンにとっては逆になっていることに気づいた羽生選手が、整えるのを手伝った。2018年の平昌五輪でメダルを逃した金選手を抱きしめ、何度も中国語で応援した。
新型コロナの感染拡大防止のため、今回の北京冬季五輪では海外の観客にチケットを販売しないことになった。日本の羽生ファンは遺憾の意を表明するとともに、中国人ファンに応援をお願いした。駐日中国大使館の公式ツイッターアカウントが関連記事をリツイートし、日本人ファンから日本選手を応援するという依頼を受けたと表明した。中国外交部の華春瑩(Hua Chunying)報道官もこのツイートにリツイートし、「私たちに任せて!」と述べ、「スポーツに国境はない」という精神を体現した。
北京冬季五輪は観客が手書きのハガキで選手を応援する「愛の葉書」キャンペーンを提唱した。中国人ファンは羽生選手を応援するため、積極的に活動に参加し、中には中国各地から数万枚のハガキを集め応援動画を制作したファンもいる。北京冬季五輪文化活動部の陳寧(Chen Ning)部長によると、北京五輪組織委員会にはすでに大量のハガキが届いており、中でも羽生選手宛てのハガキは分厚いものになっているという。特に、中国のネットユーザーが日本の観客の代わりに羽生選手を応援する約束に言及し、「私たちは機会を設けて、彼の手元にハガキを渡すつもりだ」と、陳部長は述べた。(c)CNS/JCM/AFPBB News