【1月27日 CNS】北京冬季オリンピック組織委員会はこのほど、「北京2022年冬季オリンピック・パラリンピックレガシー報告集(2022)」を発表した。同報告集によると、北京冬季オリンピックの招致成功から2021年10月までに、中国の住民がウインタースポーツに参加した人数は3億4600万人で、「3億人をウインタースポーツ参加に導く」という目標を達成した。

【写真特集】熱戦が待ち遠しい、北京冬季五輪会場

「オリンピックレガシー(遺産)」という概念は1956年のメルボルンオリンピックに由来し、その後オリンピックが開催地に利益をもたらした例は少なくない。オリンピックレガシーには、オリンピックを開催するにあたり、市民や都市、地域の発展、オリンピックに作り上げ、またはオリンピックによって生じるすべての有形・無形の長期的収益が含まれている。2014年に公布された「オリンピック・アジェンダ2020」は、オリンピック招致のプロセスは「持続可能性とレガシーに注目」すべきで、国際オリンピック委員会(IOC)は開催都市とその他の機関の支援のもと、オリンピックレガシーの利用を長期的に評価し、モニタリングすべきだと打ち出した。

 北京冬季オリンピックは「オリンピック・アジェンダ2020」が公布された後、開催準備の当初からオリンピックレガシーの管理を全面的に計画する第1回大会となった。2017年9月、北京冬季オリンピック組織委員会は総合企画部に遺産処を別途設置した。レガシーの理念と実践は北京冬季五輪の準備の全過程を貫いた。

 今回発表したレガシー報告集は計7冊からなり、北京冬季オリンピックはウインタースポーツの普及と発展、氷雪産業の発展と科学技術イノベーション、社会・文明の進歩、オリンピックと氷雪文化の普及・促進、生態環境の持続的な改善、主催都市の高品質な発展、京津冀(北京・天津・河北)地域の協同発展などの7つの面で生じたレガシーの成果を紹介した。

 スポーツのレガシーは、北京冬季オリンピックの最も直接的で重要なレガシーだ。北京冬季オリンピックの準備と開催は中国のウインタースポーツの普及と発展に顕著な先導的役割を持っている。国家統計局が中国国家体育総局の依頼を受け作成した『「3億人をウインタースポーツ参加に導く」統計調査報告』によると、冬季オリンピックの招致成功から2021年10月までに、中国の住民がウインタースポーツに参加した人数は3億4600万人で、参加率は24.56%だったという。また中国観光研究院の予測によると、2021年から2022年のウインターシーズンに、中国の氷雪レジャー観光客数は延べ3億500万人に達し、その収入は3233億元(約5兆8185億円)に達する見込みだ。

 冬季オリンピックは中国が伝統文化を広め、再形成するきっかけにもなった。北京冬季オリンピック・パラリンピックのエンブレム、聖火、マスコット、スポーツロゴ、メダル、カラーシステムおよび核心的な図形など一連の冬季五輪イメージロゴは、オリンピック文化と中国伝統文化の融合を体現している。16系5000種類余りの冬季オリンピックライセンス商品のデザイン、研究開発、販売は、中国の文化クリエーティブ産業の発展を促進した。

 情報筋によると、北京冬季オリンピック期間中、北京冬季オリンピック組織委員会は「北京2022年冬季オリンピック・パラリンピックレガシー事例報告集(2022)」を発表するという。(c)CNS/JCM/AFPBB News