【1月25日 AFP】(更新)西アフリカ・ブルキナファソで、大統領のイスラム過激派対策不足に抗議して反乱を起こした兵士らが24日、国営テレビで演説し、政権を掌握したと宣言した。

 兵士らは、憲法の停止や、内閣と議会の解散、24日午前0時からの国境閉鎖を発表。「適切な時間」内に「憲法秩序に復帰する」と説明し、全土を対象とした夜間外出禁止令も出した。

 国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は、兵士らの行動を「クーデター」と呼び非難。アフリカ・欧米諸国も兵士らのテレビ演説に先立ち、「クーデター未遂」だと非難していた。

 兵士らは23日、ブルキナファソ各地の軍事基地で蜂起。軍上層部の解任と、2015年から続くイスラム過激派の台頭に対抗するための軍備強化を要求していた。

 与党「進歩のための国民運動(MPP)」は24日、ロック・カボレ(Roch Kabore)大統領と閣僚1人が暗殺未遂に遭い、カボレ氏の自宅も荒らされたと発表。AFP特派員は同日、カボレ氏宅の前で、銃撃された車両3台を確認。うち1台には血痕があった。

 カボレ氏の所在については、情報が錯綜(さくそう)。欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表(外相)は「カボレ大統領が軍の支配下に置かれていることが分かっている」と説明。米国とEUは、カボレ氏の解放を要求した。

 一方、ブルキナ政府の関係者は、カボレ氏が23日夜、「大統領の車列を銃撃した武装勢力が到着する前」に大統領警護官によって「避難」させられたとしている。(c)AFP/Armel Baily