【1月26日 CNS】2月に北京冬季五輪が開催される中国でウインタースポーツ熱が高まり、冬の観光客も増えている。オンライン旅行サイト「飛猪(Fliggy)」によると昨年12月以降、国内各地で氷と雪に関連したツアーの予約が週平均46%の伸びを見せている。

「スキーをするのは初めて。こんな南の方にスキー場があるなんて思わなかった」。北京から約1500キロ南に位置する江西省(Jiangxi)宜春市(Yichun)にある明月山スキーリゾートで、スキーウエアに身を包んだ唐艶如(Tang Yanru)さんは、インストラクターからスキーの基礎を教わった。

 明月山観光区のマーケティングディレクター陳磊(Chen Lei)さんは「このスキーリゾートは標高1580メートルに位置し、人工雪で造成しています。自然の雪より溶けにくいのが特徴です」と話す。1月1日の来場者は前年比48.5%に増え、観光収入は70.9ポイント増に伸びた。

 中国旅行研究院(China Tourism Academy)が発表した「中国氷雪観光発展リポート2021」は、氷と雪をテーマにした観光が冬の消費の新たな原動となり、南部を含めた巨大な市場があると指摘。湖北省(Hubei)、安徽省(Anhui)、四川省(Sichuan)、浙江省(Zhejiang)など南部の地域にもスキー場があり、利用客も収入も増えてきている。

 2015年に北京冬季五輪の開催が決まった後、中国政府は「ウインタースポーツ開発計画(2016〜2025)」「ウインタースポーツ3億人運動・実施概要(2018〜2022)」「氷雪観光開発行動計画(2021〜2023)」などの施策を次々と発表。全国的にウインタースポーツを奨励し、アイスホッケー女子中国代表チームのトレーニング施設などを南部に設けた。

 北部ではウインタースポーツはより多くの人々を引きつけている。北京市内の中学校(日本の中学、高校に相当)に通う康家慧(Kang Jiahui)さんは4年前にスピードスケートのショートトラックを始め、現在は北京市昌平区(Changping)チームの一員になった。康さんは技術と体力が向上するにつれて、スピードスケートは頭脳とチームワークも必要であることが分かり、さらに魅力を感じている。康さんは「冬季五輪・パラリンピックが近づき、ますます多くの生徒がスピードスケートを学ぶようになっています」と目を輝かせる。

 国家体育総局によると2021年初めの時点で、国内のスケート場は2015年から317ポイント増の654か所、屋外・屋内のスケート場は41ポイント増の計803か所となっている。

 冬季五輪開催地の北京市ではスケート場が42か所から82か所、アイスホッケーやカーリングもできるリンクが44か所から97か所、スキー場が22か所から32か所に増えている。北京市内では小中学生によるスピードスケート、フィギュアスケート、カーリング、アイスホッケー、アルペンスキー、スノーボードなどの大会が行われている。各学校でウインタースポーツを授業に取り入れ、これまでに計210万人が参加している。(c)CNS/JCM/AFPBB News