【1月9日 AFP】中央アジア・カザフスタンの治安機関、国家安全保障委員会(KNB)は8日、前トップで元首相のカリム・マシモフ(Karim Masimov)氏を6日に国家反逆の疑いで拘束したと明らかにした。

 カザフスタンでは先週、燃料価格の高騰に抗議するデモが各地で暴徒化し、数十人が死亡した。これを受け、カシムジョマルト・トカエフ(Kassym-Jomart Tokayev)大統領は、KNB議長の座にあったマシモフ氏を解任していた。

 マシモフ氏は、トカエフ大統領の就任後も影響力を維持していたヌルスルタン・ナザルバエフ(Nursultan Nazarbayev)前大統領の側近だった。カザフスタンでは権力闘争が起きているとの臆測も広がっている。

 ロシアは8日、トカエフ氏がウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領との「長時間」にわたる電話会談で、カザフスタンの状況は安定したと伝えたと説明した。トカエフ氏はまた、ロシアが主導する集団安全保障条約機構(CSTO)による部隊派遣に感謝を伝えたという。

 トカエフ氏は、CSTOの部隊派遣は一時的だとしている。これについて、米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は7日、「最近の事例を通じて得られた教訓によれば、ロシア人がいったん家に居座ると、立ち退かせるのは極めて難しい」と指摘し、警戒感を示した。

 ロシア外務省はこれに対し、「米国人がいったん家に入れば、強盗やレイプに遭わないことは難しい」と反発した。(c)AFP/Christopher RICKLETON with Michael MAINVILLE in Moscow