【1月3日 AFP】韓国から身元不明の男性が軍事境界線を越えて北朝鮮に入ったとされる問題で、韓国国防省関係者は3日、男性は元脱北者とみられると明らかにした。

 韓国軍は1日、男性が軍事境界線を越えて北朝鮮に入る様子を監視装置で確認。直ちに捜索を開始したものの、男性の発見には至らなかった。

 韓国当局は男性の身元を公表していないが、ある国防省関係者によると、男性は2020年に軍事境界線を越えて北朝鮮から韓国に入国した30代の人物とみられるという。これ以外の詳細は不明。

 韓国の聯合(Yonhap)ニュースも、同省関係者の話として、男性は「元脱北者と特定」され、韓国入りしてからは清掃員として働いていたと報道。スパイ行為に及んでいた証拠は、現時点では見つかっていないとしている。

 韓国軍は2日、男性の越境を北朝鮮に通報。国防省関係者は、北朝鮮側から受信の示唆はあったものの、さらなる回答はなかったと述べている。

 朝鮮戦争(Korean War)休戦後、抑圧と窮乏が続く北朝鮮から3万人以上が韓国へ脱出したが、韓国から北朝鮮への越境は極めてまれ。(c)AFP