【12月28日 CNS】11月下旬に米テキサス州(Texas)ヒューストン(Houston)で行われた世界卓球選手権で、中国と米国の選手がペアを組んで混合ダブルスに出場したことは、両国の関係正常化につながった1971年の「ピンポン外交」の新バージョンとして中国で話題となった。50年前の「ピンポン外交」の会場となった北京の首都体育館は、来年2月の北京冬季五輪でショートトラックとフィギュアスケートの会場となる。首都体育館は3年間のリニューアル工事を経て最新の音響と光の技術を導入し、世界中の観客と選手たちに「最も美しい氷」を提供する。

 53年の歴史を誇る首都体育館は、北京で最も機能的で広範囲な用途に利用できる施設として知られている。2008年北京夏季五輪ではバレーボールの会場として使用され、来年の冬季五輪ではショートトラックとフィギュアスケートの競技で14個の金メダルが争われる。

 首都体育館は最新の製氷機能が導入され、31メートル×61メートルの多機能アイスリンクはショートトラックとフィギュアスケートそれぞれの種目のニーズに対応している。

 10月中旬に行われたフィギュアスケートのテスト大会で、日本の鍵山優真(Yuma Kagiyama)選手は「個人的にはこの氷には驚かされました。非常に滑りやすい」と感想を述べた。大会では男子で鍵山選手が優勝、佐藤駿(Jun Sato)選手が準優勝を果たし、女子も三原舞依(Mai Mihara)選手と坂本花織(Kaori Sakamoto)選手が優勝、準優勝に輝いた。

 フィギュアスケートとショートトラックの競技に必要な氷の状態は異なるため、五輪では氷の表面を変更する必要がある。首都体育館運営チーム・フィギュアスケート担当の姚佳(Yao Jia)主任は「二酸化炭素を冷媒とした製氷システムと氷面監視システムにより、2時間以内に着氷作業を完了し、2つの競技に合わせた氷の状態を実現できる」と紹介している。

 国家スピードスケート館(通称・アイスリボン)と首都体育館は、二酸化炭素を使った製氷技術で氷面を均一に冷却し、温度差も0.5度以内も制御できる。会場には大型スクリーンやレーザープロジェクターを設置し、氷上で活躍する選手たちの姿を鮮やかに伝える。

 首都体育館運営チーム担当の丁東(Ding Dong)主任は「アスリートに最高レベルのパフォーマンスをしてもらい、氷と光と人が融合した美しい五輪にしたい」と意気込んでいる。(c)CNS/JCM/AFPBB News