【12月28日 CNS】12月1日は世界エイズデー(World AIDS Day)」。1981年に世界で初めてエイズの症例が報告されてから今年で40年が経過したが、この病気は依然として人間社会にはびこっている。

 中国疾病管理予防センターによると、中国では2020年末までに105万3000人がHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染し、35万1000人の死亡が報告されている。

 感染ルート別の割合は、2009年は異性愛者間の感染が48.3%、同性愛者間が9.1%、注射器使用者が25.2%などと分かれていた。2020年は異性愛者間が74.2%、同性愛者間が23.3%、注射器使用者が2.5%未満となった。注射器使用者の感染が大幅に減少した一方、男性同士の性行為で感染リスクが依然高い。

 また、感染者のうち50歳以上の割合は2011年の22%から2020年は44%に増加。年配層に安全な性行為を呼びかけるとともに、孤立した高齢者が刺激を求めて危険な状況に陥らないよう家族のケアが必要とされている。

 若者も感染リスクが高いグループだ。2020年には、15〜24歳の学生で3000人近い新規感染が報告され、性行為による感染が98.6%を占めている。性行為のうち男性の同性愛者の感染が81.7%、異性愛者の感染が16.9%だった。

 世界保健機関(WHO)の陳馮富珍(マーガレット・チャン、Margaret Chan)名誉事務局長は「近年、15〜24歳の学生で毎年約3000人の新規感染が報告されている。そのほとんどが無防備な性行為で感染している」と強調。若者のHIV予防対策が最も重要となっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News