【12月20日 AFP】中国の女子テニス選手で、同国の前副首相から性的関係を強要されたと訴えた彭帥(Peng Shuai、35)が19日、性的暴行を告発した事実を否定した。今回の件で彭が公にメディアでコメントするのは初めて。

 彭が先月、張高麗(Zhang Gaoli)前副首相による性的暴行をSNSで告発すると、投稿は中国のネット上ですぐさま検閲、削除され、彭の安全をめぐっては他のテニス選手や国連(UN)から懸念の声が上がっている。

 だが、シンガポールの中国語紙「聯合早報(Lianhe Zaobao)」が公開した動画の中で彭は、「非常に重要な点を強調したい。私は誰かに性的暴行を受けたと言ったことも、書いたこともない」と述べ、微博(Weibo、ウェイボー)にした投稿については「プライベートな問題」で、人々が「誤解」したとだけ話した。

 また、「中国」と書かれた赤のTシャツとダウンジャケット姿で登場した彭は、告発後は監視下に置かれたのかとの質問に対し、「ずっととても自由だ」と返答した。

 彭をめぐっては中国の国営メディアが先日、彭本人が「何も問題ない」と書いたとする女子テニス協会(WTA)宛てのEメールを公開した。

 これについてWTAのスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)は「信じがたい」と話し、ほとんど懸念は解消されていなかったが、彭は今回、Eメールは本物で、「完全に自分の自由意思」で書いたものだと説明した。(c)AFP