【12月16日 CNS】中国国家医療保険局は2018年から、医薬品の品質向上と値下げを目的として5回にわたり医薬品の一括購入を行った。主要な病気と希少疾患の薬が医療保険の対象となり、市民の治療に大いに役立っている。

 中国薬学会と中国医療保険研究会が共同で発行した「医療保険医薬品行政改革の進展と成果に関する青書」によると、国家医療保険局は2018年の設立から3年連続で、433の新薬を含む優良医薬品を一括購入。5回にわたる一括購入で218種類の薬をカバーし、累計約2500億元(約4兆4808億円)を節約した。

 青書は31省・自治区・直轄市にある804病院で薬の使用状況を追跡調査し、主要な病気や特定の患者グループへの投薬状況が明らかに改善したという。

「中国の心血管の健康と病気の報告書2020」によると、中国の心血管疾患の患者は増加を続け、高血圧の2億4500万人をはじめ患者数は3億3000万人に達している。中国薬学会科学技術開発センターの劉皈陽(Liu Guiyang)所長によると、糖尿病患者は世界最多の約1億3000万人に上る。高血圧と糖尿病は「二大国民病」となっており、薬の品質向上と値下げ、医師の診察の負担軽減が医療保険改革の優先事項とされている。

 2019年10月に発表された「都市部と農村部における高血圧と糖尿病の投薬制度改善に関する指導意見」によると、高血圧と糖尿病の患者に対する薬価の公費負担は50%を超えた。このうち、高血圧に広く使用されているアムロジピン錠剤の価格は79%減少し、糖尿病のメトホルミン塩酸塩錠剤は53%減少し、血中脂質を低下させるアトルバスタチンカルシウム錠剤は80%減少した。(c)CNS-広州日報/JCM/AFPBB News