中国でコーヒーブーム 上海はカフェ世界最多の都市に
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【12月17日 CNS】「お茶の国」のイメージが強い中国で、近年はコーヒーがブームとなっている。2020年末時点で、中国にあるカフェは10万8000店。上海には6913店のカフェがあり、米国ニューヨークの1591店、英国ロンドンの3533店、東京の3826店を上回り、世界一カフェが多い都市となった。
上海咖越投資管理有限公司の王振東(Wang Zhendong)会長は「上海の旧市街のすべての路地にカフェがある」と話す。
コロナ禍は多くの業界に打撃を与えたが、コーヒーショップは例外だ。企業データバンク「天眼査(Tianyancha)」によると、2021年に入り新規登録されたコーヒー関連企業は1万8000を超え、コロナ禍の逆風でもカフェは増えている。
中国のコーヒーチェーンも急成長している。今年上半期の時点で、設立から4年足らずの瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー、Luckin coffee)は5239店舗に達し、中国市場に20年以上前から進出しているスターバックス(Starbucks)の5135店舗を上回った。Manner Coffee、M Stand、Seesawなどの新興ブランドも急拡大しており、Manner Coffeeは半年間に4回の融資を受け、評価額は28億ドル(約3195億円)に上る。
海外のコーヒーブランドも中国市場に注目している。世界でスターバックスが最も多い都市は上海で、店舗数は900店を超える。2位のソウルの500店舗をはるかに上回り、3位の北京も400店舗を超える。近年は日本のドトール(Doutor)、カナダのティム・ホートンズ(Tim Hortons)、アメリカのピーツ・コーヒー&ティー(Peet's Coffee & Tea)も中国に進出している。
デロイトが今年発表した「中国挽き立てコーヒー産業白書」によると、中国の大都市圏でコーヒーを飲む習慣が定着した人の割合はお茶と同程度の67%に達し、年間のコーヒー消費量は300杯。成熟したコーヒー市場の水準に近づいている。好みもラテやカプチーノなどのミルクコーヒーからブラックにシフトし、コーヒー豆の種類や味わいへの関心が高まっている。
世界のコーヒー消費量の平均増加率は2%にとどまるのに対し、中国では毎年15%以上増加。中国のコーヒー市場は2025年に1兆元(約17兆9232億円)を超えると予想されている。国際的なコーヒー競技会の審査員を務める呉文琪(Wu Wenqi)氏は「中国のコーヒー市場の見通しは明るく、中国独自のコーヒー文化が開花していくだろう」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News