【12月16日 AFP】サッカーの欧州クラブ協会(ECA)は15日、カメルーンで開催されるアフリカネーションズカップ(2021 The Africa Cup of Nations)における新型コロナウイルスの健康プロトコルに対する懸念を理由に、大会に選手を派遣しない可能性を示唆した。

 欧州各国のトップクラブを代表するECAは、国際サッカー連盟(FIFA)に送付された書簡の中で大会への懸念を表明した。

 ECAはFIFAに対し「われわれの知る限りでは、アフリカサッカー連盟(CAF)はアフリカネーションズカップに適用される医療・運用プロトコルをまだ利用可能な段階にできていない。これがなければ各クラブは大会に選手を派遣できない」と述べた。

 コロナ禍により昨年延期されたアフリカネーションズカップは、来年1月9日から2月6日までカメルーンで開催される予定となっている。  

 リバプール(Liverpool FC)のモハメド・サラー(Mohamed Salah)とサディオ・マネ(Sadio Mane)やマンチェスター・シティ(Manchester City)のリヤド・マフレズ(Riyad Mahrez)、そしてパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)のアクラフ・ハキミ(Achraf Hakimi)とイドリッサ・ゲイェ(Idrissa Gueye)といったアフリカ出身のトップ選手の多くが欧州のクラブに在籍している。

 ECAはまた、とりわけ新変異株「オミクロン株」の新たな脅威に関連し、渡航制限や強制隔離の措置が取られる可能性があるため、選手を起用できない期間がさらに長くなる危険性に懸念を示した。

 パンデミック(世界的な大流行)期間の選手派遣義務に関するFIFAのルールでは、各クラブは「代表チームの試合が行われる場所に到着したとき」、または選手が所属クラブに戻ったときに「最低5日隔離義務がある」場合は選手を保持できるとされている。

 書簡によると、欧州250クラブを代表するECAは今月2日に理事会を開催し、選手の派遣義務に関するルールの原則は「厳しく尊重されなければならない」と主張している。

 一方、CAFで事務局長を務めるベロン・モセンゴオンバ(Veron Mosengo-Omba)氏は現在カメルーン入りし、延期された大会の最終準備を監督しているという。

 CAFはECAの姿勢に関しコメントを避けたが、更新されたホームページの情報によると、モセンゴオンバ氏は「開幕戦に万全を期すため、24時間態勢で作業するよう全員に促した」とされている。

 また、CAFの最新情報によると、同連盟のパトリス・モツェペ(Patrice Motsepe)会長はカメルーン政府と「衛生上のアプローチと新型コロナウイルスのプロトコル」について議論を重ねているという。

 AFPが接触したカメルーンサッカー連盟(FECAFOOT)の幹部は、大会中止の可能性について論じられているものは全て「フェイクニュース」だと一蹴した。(c)AFP