【12月16日 CNS】中国の若者の間で「脱出ゲーム」や「劇本殺(マーダーミステリー)」と呼ばれる謎解きゲームが人気となっている。新しい文化コンテンツとして注目されているが、内容の過激化や海賊版の横行、店舗の安全体制の不備といった問題も浮上している。

 脱出ゲームは、物語に沿ってグループで謎を解きながら密室を抜け出すゲーム。劇本殺は、参加者が与えられた役割を演じ、架空の殺人事件を解決していく推理ゲームだ。さまざまな時代設定でコスプレのように衣装をまとう楽しみもあり、没入感とリアリズムを求める若者をひきつけている。

 広州市(Guangzhou)中心部の繁華街、北京路(Beijing Road)歩行街には脱出ゲームと劇本殺の店舗が数多く運営されている。ある建物に入ると、脱出ゲーム7店と劇本殺2店が集まっている。ゲームには主に「ホラー型」と「ドラマ型」の2種類があり、恐怖感について「中程度/小程度/なし」という説明もある。一部の店舗は「12歳未満の参加不可」と表示しているが、特に年齢の基準を示していない店舗もある。こうしたゲームには残酷な殺人・テロ事件や性的事件、迷信を取り入れた内容も含まれている。

 こうした問題を受け、今年3月に「中国文化娯楽産業協会没入型物語・娯楽専門委員会」が設立され、10月には応急管理省消防救援局が「脱出ゲームにおける火災リスク検査の試行ガイドライン」を発表。上海市は「脱出ゲームと劇本殺の内容に関する規則(草案)」を発表し、海賊版や道徳的・文化的に不健全なコンテンツを取りやめ、会場の安全体制を確保するよう求めている。

 広州市は11月18日、脱出ゲーム業界を巡り緊急会議を開催。各部門の意見を反映し、早急に管理規則を制定しようとしている。(c)CNS-広州日報/JCM/AFPBB News