【12月6日 AFP】21F1第21戦サウジアラビアGP(Saudi Arabian Grand Prix 2021)は5日、決勝が行われ、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)がレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)を2位に抑えて優勝を果たし、8度目の総合優勝に望みをつないだ。

 この結果、総合優勝を争う両者は369.5ポイントで並んだ状態で最終戦アブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2021)を迎えることになった。

 クラッシュで2度赤旗中断し、セーフティーカーとバーチャルセーフティーカー(VSC)が何度も導入されるなど混沌(こんとん)とする場面もあった全50周のレースの大半で、ハミルトンはフェルスタッペンにリードされていた。

 しかし、フェルスタッペンとの接触でフロントウイングにダメージを受けたハミルトンは終盤に追い上げを見せると、今季8勝目となる通算103回目の優勝を果たした。

 総合優勝争いの行方は今週末のアブダビGPで決着がつくことになるが、仮に両者ともポイント圏内に入れなかった場合は、今季9勝を挙げているフェルスタッペンが年間王者に輝く。

 ファステストラップをマークしてボーナスポイントを獲得したハミルトンは「長くレースを続けているが、信じられないほどタフだった」とコメントした。

 一方、5秒のタイムペナルティーを科されたフェルスタッペンは、11秒825差に終わった。

 レース後、さらに10秒のペナルティーを受けたものの、最終順位に影響が出なかったフェルスタッペンは「とにかくレースに臨もうとしていたが、この競技はレースよりもペナルティーを重視している」と振り返った。

「僕にとってこれはF1じゃない。それでも少なくともファンは楽しみ、僕もきょう全力を尽くしたが、明らかに十分な速さではなかった」

 ハミルトンのチームメートであるバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)が最後のゴール前でアルピーヌ(Alpine)のエステバン・オコン(Esteban Ocon)を抜いて3位に入り、メルセデスはコンストラクターズ選手権の順位表でもレッドブルに28ポイント差をつけた。

 アルファタウリ(AlphaTauri)の角田裕毅(Yuki Tsunoda)は14位だった。

 サウジアラビアのジッダ(Jeddah)でF1が行われるのは今回が初めてで、同国がスポーツを利用して人権侵害から目をそらす「スポーツウオッシング」をしていると批判される中での開催となった。(c)AFP