■性的不品行が明るみに出るのは政府に都合が良い場合

 中国政府は、セクハラの訴えが政府にとって都合が良い場合には、もみ消しを図ることはない。

 今夏、中国の電子商取引(EC)大手アリババ(Alibaba、阿里巴巴)の女性社員が、出張中に上司や取引先の相手から性的暴行を受けたと訴えた。この事件は、国内メディアで広く取り上げられた。

 規制当局から強い圧力を受けていたアリババは、問題の上司を解雇。「あしき」社風を一掃することを約束した。

 だが、ほとぼりが冷めると、警察はこの事件を不問とした。

 汚職で除名処分を受けた共産党幹部は、性的不品行でも告発されることが多い。政治闘争で失脚すると、こうした行為が犯していた罪の一部として初めて明らかにされるのだと、中国のフェミニスト、呂頻(Lu Pin)氏はエッセーで指摘している。

「その場合、(性的被害を訴えた)女性たちは、失脚した人物の悪評の証拠として利用される」 (c)AFP/Jing Xuan TENG and Beiyi SEOW