【9月15日 AFP】中国で起こされていた画期的なセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)訴訟で、北京の裁判所は14日、証拠が不十分だとして、原告女性の訴えを棄却した。同国で芽生えたばかりのセクハラ告発運動「#MeToo(私も)」に打撃を与える判決だ。

 訴えを起こしていたのは、周暁●(●はおうへんに旋、Zhou Xiaoxuan)さん(28)。国営テレビ局でインターンをしていた2014年、司会者の朱軍(Zhu Jun)氏に無理やりキスをされたり体を触られたりしたとして、2018年に被害を告発した。

 周さんの告発はソーシャルメディアで話題を呼び、多くの女性が自分の性的暴行被害を公にするきっかけとなった。しかし3年間にわたる法廷闘争の末、北京市海淀区人民法院(Beijing Haidian District People's Court)は14日夜、周さんの訴えを証拠不十分として棄却すると発表した。

 周さん側は当初、個人の健康や身体に関する権利を定めた「人格権」法に基づいて訴訟を起こしたが、昨年に新たなセクハラ法が成立したことを受け、この新法に基づく審理を求めていた。

 中国女性の多くは新法の制定後もハラスメントの告発に消極的で、裁判になることはまれ。弦子(Xianzi)というペンネームで知られる周さんは、朱氏からの公式な謝罪と5万元(約85万円)の損害賠償を求めて提訴していた。(c)AFP