【SDGsニュースを振り返る】11月4日〜11月10日
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【11月13日 AFPBB News】1週間のSDGsニュースを振り返る。
国連環境計画(UNEP)は9日、国連(UN)気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で各国が新たに表明した炭素排出量削減の目標について、今世紀中の気温上昇に与える影響はごくわずかだとの見解を示した。
UNEPによると、現時点での計画に沿うと2030年までに5億トンの炭素排出を削減できるが、それでも世界の気温は2100年までに2.7度上昇する見通し。森林再生などを通じた排出量の相殺や脱炭素化への取り組みを加味すると、上昇幅は2.1度まで抑えられる可能性がある。これは先月の見通しよりも低いものの、上昇幅を2度より「十分低く」保つというパリ協定の目標には届かない。
インドで最も神聖な川の一つで、首都ニューデリーの中心部を流れるヤムナ(Yamuna)川が8日、汚染により生じた有害な泡に覆われた。ニューデリーは濃いスモッグにも見舞われており、住民は二重苦にさらされている。
ヤムナ川はすでに汚染度が国内最高水準になっていたが、この日は川の一部が積雪のような白い泡で覆われた。市当局は、上流から先週流れ込んだ「大量の下水と産業廃棄物」が原因だとしている。
国連の世界食糧計画(WFP)は8日、世界43か国で飢餓の危機に直面している人が、今年初めの4200万人から4500万人に拡大したと発表した。
WFPによると、アフガニスタンについて食料安全保障面から点検した結果、300万人が飢餓に直面していることが判明。このため全体の人数が押し上げられた。
アフガニスタン辺境のバーラーモルガーブ(Bala Murghab)では、あちこちの畑がからからに乾燥し、干ばつが広がっている。この地域で恐れられているのは、電撃的な攻勢で政権を掌握したイスラム主義組織タリバン(Taliban)よりも気候変動だ。
水不足は、家族の絆にも打撃を与えている。同地域にあるハジラシドカーン(Haji Rashid Khan)村では、今年に入ってから、食べ物を買う金銭を工面するために20世帯が幼い娘を売って結婚させた。
ドイツの環境シンクタンク、ジャーマンウオッチ(Germanwatch)の調査では、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出によって気候変動の影響を最も受けている国のランキングでアフガニスタンは6位になっている。
世界銀行(World Bank)のデータによると、アフガニスタンでは国民1人当たりの年間CO2排出量は0.2トン。同じデータで米国の平均は15トンだ。
イタリア・フィレンツェ(Florence)にあるウフィツィ(Uffizi)美術館で、女性への暴力をテーマにした展覧会が開催されている。展示には、酸攻撃の被害に遭った女性を表現した写真や、恋人の顔を傷つけたことがある同国の彫刻家でバロック様式の巨匠ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini)による胸像が含まれている。
ウフィツィ美術館のアイケ・シュミット(Eike Schmidt)館長は「美を求めてウフィツィを訪れるすべての人に、倫理なき美はあり得ないという事実に気付いてもらうことが目的だ」と説明した。
(c)AFPBB News