【11月9日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)元米大統領は8日、英グラスゴーで開催中の国連(UN)気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で演説し、気候変動対策をめぐる各国首脳の行動不足について若者が感じる「いら立ち」に理解を示し、「大半の国」が地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」で行った誓約を果たせていないと指摘した。

 オバマ氏は2015年のパリ協定締結時に米大統領を務めた。演説では、各国は温室効果ガス排出削減の誓約を強化し、協力する必要があると言明。後任のドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が米国をパリ協定から一方的に離脱させたことで、「進歩の一部が停滞した」ことも認めた。米国はジョー・バイデン(Joe Biden)現大統領の就任後、同協定に復帰している。

 COP26で先週開催され、120か国以上が参加した首脳級会合を中国の習近平(Xi Jinping)国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が欠席したことに言及し、両国が気候変動対策に関する「危機感の危険な欠如」を示したと指摘。「大半の国が、必要な熱意に欠けている」と批判し、米国や欧州の先進国だけでなく、中国やインドもリーダーシップを発揮する必要があると訴えた。

 また、会場で歓声を上げ、演説をスマートフォンで撮影する若者の活動家たちに向け、自身の世代にある危機感の欠如は不安と怒りの「真の根源」となっていると言及。若者たちに、「いら立ちを感じるのも当然。私の世代は、あなた方が受け継ぐ、壊滅的な可能性のある問題に十分な対処をしてこなかった」と話した。(c)AFP