【11月11日 AFP】米国と中国は10日、英グラスゴーで開催中の国連(UN)気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、気候変動対策の強化に向けた共同計画を電撃発表した。

 ジョン・ケリー(John Kerry)米大統領特使(気候変動問題担当)は記者会見で、米中両国が交わした合意文書について、「この文書には、科学界からの警鐘や、排出ギャップ、そしてそのギャップを埋める行動を加速させる切迫した必要性についての強い意見表明が含まれている」と説明した。

 中国の解振華(Xie Zhenhua)気候変動問題担当特使も個別に開いた記者会見で、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」の目標と現在の取り組みとの間にはギャップがあることを両国は認識しており、「共同で気候変動対策を強化する」と表明した。

 中国と米国は温室効果ガスの2大排出国で、合わせて世界の炭素排出量の約40%を占めている。合意文書では、両国が「気候危機の深刻さと緊急性を認識している」と明記。強力な温室効果ガスであるメタンガスの排出量削減に注力する必要があるとの文言が盛り込まれた。具体的な目標には欠くものの、米中の対立で始まったCOP26で出されたものとしては大きな政治的意味合いを持つものとなった。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は先週、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席がCOP26を欠席したことを批判。中国はこれに反発していた。だが、ケリー氏と解氏はいずれも、両国が気候問題での協力のため意見の相違を乗り越える用意があるとの見解を示しており、米中関係は来週に予定されている待望の首脳会談を前に回復しているもようだ。(c)AFP