【11月6日 AFPBB News】1週間のSDGsニュースを振り返る。

メタン排出、2030年までに30%削減 80か国以上が宣言

 英グラスゴーで開催中の国連(UN)気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で2日、欧州委員会(European Commission)のウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は、強力な温室効果ガスであるメタンガスの排出量を2030年までに30%削減するとした米国と欧州連合(EU)の宣言に、80か国以上が参加したと発表した。

 フォンデアライエン氏は、産業革命以降の地球温暖化の約30%はメタンが原因であり、排出量を2020年の水準から3割削減することで「気候変動を直ちに減速できる」と説明。「現在、世界のメタン排出量は過去最高ペースで増加している」と訴えた。

英グラスゴーで開催中の国連(UN)気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で演説するウルズラ・フォンデアライエン欧州委員会委員長(2021年11月1日撮影)。(c)YVES HERMAN / POOL / AFP

2070年までに排出ゼロ目指すインド、砂漠一面のソーラーパネル

 インド西部ラジャスタン(Rajasthan)州の砂漠には、約1000万枚の太陽光パネルが設置されている。人口の少ない砂漠地帯を有効活用し、再生可能エネルギーによる発電量を増やす狙いだ。

 インドのグリーンエネルギーは、この10年間で約5倍に増えた。ラジャスタン州当局は、「砂漠の州」と呼ばれる過疎地域に進出する自然エネルギー企業にインセンティブを付与している。

 ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は1日、COP26の首脳級会合で、2070年までに温室効果ガス排出の実質ゼロを目指すことを表明した。

インド・ラジャスタン州に設置された太陽光パネル(2021年10月6日撮影)。(c)Sajjad HUSSAIN / AFP

エチオピア、全土に非常事態宣言 反政府勢力が進軍

 エチオピア政府は2日、北部ティグレ(Tigray)州の反政府勢力が首都アディスアベバに進軍しているとの懸念を受け、全土に非常事態を宣言し、首都の住民に近隣地域を守る準備をするよう命じた。

 アディスアベバ市当局はこれに先立ち、同市の住民500万人に対し、2日以内にすべての銃器を登録するよう義務付けると発表。市の平和・治安管理局のケネア・ヤデタ(Kenea Yadeta)局長は、「すべての住民は、地域の警察や法執行機関と協働する治安部隊と連携し、居住区の平和と安全を守るために区画や地区ごとに組織されなければならない」と宣言。治安任務のために若者を徴集するほか、家主やホテル所有者が入居者や宿泊客の身分証明書を確認するなど、「社会全体」が警戒の強化に協力する必要があるとした。

エチオピア北部ティグレ州の州都メケレ近郊の路上に放置された戦車(2021年6月20日撮影、資料写真)。(c)Yasuyoshi CHIBA / AFP

断熱シートで覆われたスイス・ローヌ氷河 融解食い止め

 スイス・グレッチ(Gletsch)近郊のローヌ氷河(Rhone Glacier)の一部が、融解を食い止めるために断熱シートで覆われている。

 気候変動の影響により、スイスの氷河は2021年だけで体積の1%を失った。

断熱シートで覆われたローヌ氷河。スイス・グレッチ近郊で(2021年10月27日撮影)。(c)Fabrice COFFRINI / AFP

希望の象徴「バビロン国際フェス」、20年ぶり復活 イラク

 イラクで20年ぶりに、伝統舞踊や音楽、芸術の祭典「バビロン国際フェスティバル(Babylon International Festival)」が復活した。

 イラクは米国との戦争や反政府組織、部族間、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」との戦闘が続いたことで、国土の大半と豊かな文化遺産はがれきの山と化した。

 ISによる攻撃が散発し、政治的緊張が続いているものの、現在国内の状況は比較的安定しており、国民は未来に期待を持ち始めている。1日まで5日間にわたり開催されたバビロン国際フェスティバルは、希望を象徴するものの一つとなった。

イラク・バビロンで開催されたバビロン国際フェスティバルの開幕式でパフォーマンスを披露するアーティスト(2021年10月28日撮影)。(c)Sabah ARAR / AFP

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