【10月24日 CGTN Japanese】上海市・長寧路396弄にある住宅区は上海の典型的な老朽化団地です。最近になり、この住宅団地に一連のミニ改造を施し、さらに2カ月間にわたって骨董(こっとう)品を募集しました。その結果として、この団地街に「骨董品博物館」が誕生しました。ショーケースの中に置かれたさまざまな展示品は、いずれも年代感にあふれています。「三五」ブランドの時計、ほうろうのコップ、「弐市斤(1キログラム)」の食糧配給切符など、住民らはこぞって、自宅から数世代にわたる人々の生活の記憶を示す骨董品を提出して応募しました。このことで、これらの骨董品には新しい命が吹きこまれました。ショーケースにある二次元コードをスキャンすれば、これらの骨董品についての物語も聞くことができます。

 この住宅団地の住民は家にあった骨董品を集めることで、共通する思い出を改めて分かち合うことになりました。そして、ここからさほど遠くない別の古い横町では、古い水道管や汚された壁、ごみ箱を置く薄暗い部屋などが、いずれも明るい色を塗られて新しく生まれ変わりました。

 かつては住宅団地でむき出しになっていた水道管は、子どものころにやっていた伝声管遊びができる装飾となりました。空いたスペースには高齢者のための椅子が設置されました。そして壁全体が塗装され、芸術となりました。いたるところに、小粋で美しいデザイン感覚を見てとれます。

 住宅団地の更新は都市更新の一部分です。「骨董品博物館」は住民らが住居の改造に参加し、現地の独特の文化を発掘するための方法でもあります。古い横町は絶えず更新されつつも、世々代々の文化が伝承され、記憶の絆がとどめられています。

 物質面の変化により、住民の生活の快適さは向上しました。一方で、これらの古い品物は、歳月によって積み重ねられた人間味を残しています。住宅団地のミニ改造に「骨董品博物館」を追加することで、古い団地は住民にとって、「さらに素晴らしい家」になったのです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News