【10月15日 AFP】米海軍は14日、新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否した兵士を除隊処分にすると発表した。

 海軍は声明で「全兵士に新型コロナワクチンの接種が義務付けられたことを受けて、免除承認を受けた者または承認待ちの者を除き、ワクチン接種を拒否した兵士の除隊手続きを開始する計画」だとした。

 国防総省が8月末に全兵士にワクチン接種を義務付けて以降、接種を拒否した場合の処遇が明確に示されたのは今回が初めて。

 海軍によると、これまでに現役兵士35万人の98%が接種を開始または完了した。

 米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官が12日明らかにしたところによれば、米軍全体では現役兵士約140万人の接種率は1回目が96.7%、2回目は83.7%だった。しかし予備役を含めると、1回目を終えた割合は80%にとどまるという。

 11月28日の期限までに接種する兵士は増える見通しだが、全軍が同様の措置を取った場合、最多で4万6000人が除隊となる可能性がある。

 ジョン・ノーウェル(John Nowell)中将によると、海軍では新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が始まって以来、兵士164人が同ウイルスに感染して死亡しており、うち144人はワクチン未接種者と判明している。残り20人の接種歴は不明。

 海軍によると、ワクチン接種を拒否した兵士は通常の名誉除隊となるが、恩給の一部を失う可能性や、訓練・教育費用を返還しなければならない可能性がある。

 健康上の理由などでワクチン接種の免除を申請する場合、転属になることもある。

 1人の感染者から航海中の艦全体に感染が広がり、活動不能となる恐れがあることから、海軍は特に新型ウイルスに注意を払っている。

 原子力空母「セオドア・ルーズベルト(USS Theodore Roosevelt)」では昨年、集団感染が発生し、乗組員4800人の4分の1に広がった。艦内の消毒などのためグアム(Guam)に数週間停泊する事態となった。(c)AFP