【10月10日 AFP】ボクシング、WBC世界ヘビー級タイトルマッチが9日、米ラスベガス(Las Vegas)のTモバイル・アリーナ(T-Mobile Arena)で行われ、王者タイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)が11回KOでデオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)との激戦に勝利し、王座を防衛した。

 Tモバイル・アリーナに集まった1万5820人のファンの前で行われた両者の3戦目は、お互いにパンチを打ち合う中で流れが二転三転し、ダウンを奪い合う死闘になった。

 まずは3回、フューリーがダウンを奪って主導権を握ったかに見えたが、35歳のワイルダーも続く4回にすぐさま反撃して2回のダウンを奪い、フューリーとしては必死に耐える回になった。

 しかし終盤に力を見せたのは、体格と体重に勝る王者だった。相手よりもダメージの大きいパンチをきれいにヒットさせるフューリーは、10回に右フックで再びダウンを奪取。ワイルダーはここでも勇敢に反撃し、逆に相手をぐらつかせたが、最後は激しい打ち合いによる体力の消耗と、フューリーの容赦ないフィジカルの強さが勝負を分けた。

 迎えた11回、フューリーは疲労したワイルダーをロープ際に追い込んで決定打となるコンビネーションを放ち、右アッパーでワイルダーの意識をもうろうとさせると、最後は右フックが相手のこめかみにヒット。ワイルダーは失神したかのようにマットに崩れ落ちた。

 フューリーはファイト後、「もう二度と俺を疑うな」と話し、「俺はいざという時にやる男だ」と続けた。

「勝利の栄光は彼のものだ。タフな相手だった。今夜はデカいのを何発かもらった。過去の3連戦がどれもそうだったように、今夜も素晴らしいファイトだった」

 フューリーとワイルダーの対戦は今回が3度目。2018年の1回目の対戦では物議を醸す引き分けに終わり、その20か月後の再戦ではフューリーが7回TKO勝ちを収めていた。(c)AFP/Rob Woollard