【10月7日 東方新報】中国の国家市場監督管理総局は9月、食品と化粧品の過剰包装を規制する国家基準を発表した。食品と化粧品の過剰包装は以前からたびたび問題となっており、今回は根本的な問題解決を目指している。

 同総局標準技術局の陳洪俊(Chen Hongjun)副局長は「わが国の都市部の家庭ごみのうち包装廃棄物は30〜40%を占めており、そのほとんどが過剰包装によって発生している」と強調する。新基準は、菓子や茶、酒、健康食品など31種類の食品と16種類の化粧品が対象。包装の層数について穀物類とその加工品は3層を超えてはならず、その他の食品と化粧品は4層を超えてはいけないと定めている。

 最近の中国はインターネットで商品を購入することが日常の習慣となり、販売業者がネット上で客の目を引くことを狙い、見た目が豪華なパッケージを使った商品が増えている。消費者からは「箱が大きいが中身は少ない」「何重もの包装紙があり、商品にたどりつけないほどだ」という不満も多い。2020年の宅配便業務量は過去最高の約830億個になり、包装や梱包(こんぽう)材料などがゴミと化すことも問題となっている。

 また、中国では友人や知人、取引先などに何かにつけて贈り物を渡す文化がある。中秋節(今年は9月21日)には月餅を贈るのが定番だが、箱に分厚い型紙を使い、箱の中もきらびやかなパッケージを施すなど、豪華さを演出するための過剰包装が目立つ。中国人は贈り物をするときは「これだけあなたのことを大事にしている」と相手に伝えることを第一とし、「重い」「大きい」「豪華さ」を重視する傾向がある。また、「小気(Xiaoqi、訳:ケチ)」と思われることを最も嫌うため、贈り物本体の商品だけでなく、包装にも自然と力が入る。メディアのアンケートなどでは、回答者のほとんどが「過剰包装は不要と思う」と答えるのだが、いざ自分が贈り物をする時は、つい派手な品物を選んでしまう。

 中国では2010年にも食品と化粧品の過剰包装規制をしているが、問題解決に至っていない。今回の新基準は、消費者が品物を購入する前に、過剰包装かどうか確認できるというのが特徴だ。商品自体の重さや一番外側の包装の体積をチェックし、計算して過剰包装になっていないか分かるようにするという。2年間の準備期間を設けて、2023年9月1日から適用する。政府の「本気度」を感じる措置で、実際に浸透するかが注目される。(c)東方新報/AFPBB News