【9月14日 AFP】国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は13日、国際社会に対し、アフガニスタンの実権を握ったイスラム主義組織タリバン(Taliban)との対話と、支援を切実に必要としている同国民への「命綱」の提供を呼び掛けた。

 タリバンは先月の電撃的攻勢で、アフガニスタンからの撤退途中にあった米軍の予想を上回る速さで同国を制圧。これにより、同国が1996~2001年の第1次タリバン政権でみられた残虐な統治に逆戻りすることが懸念されている。

 スイス・ジュネーブで13日、アフガニスタンへの支援を募るための閣僚級会合を主催したグテレス氏は、援助の条件としてタリバンに人権問題を改善させることができるとの考えを表明。「アフガニスタン国内での人道支援は、事実上の政権との関わりなしには不可能だ」とし、各国の閣僚らに対し「現時点でタリバンと関わることは極めて重要だ」と語った。

 国連は今回の会合で、6億ドル(約660億円)余りの緊急援助を要請。出席者による演説の半分が終わった時点で、アフガニスタンとその近隣諸国へのさまざまな支援に約11億ドル(約1200億円)が集まった。

 ただグテレス氏は、そのうちどれだけの額が国連の要請分に充てられるかは不明だとしている。国連は、アフガニスタン国内での避難民の激増や冬の到来により、多くの人が栄養失調になり、飢餓も発生する恐れがあるとして、今回の要請を行った。(c)AFP