【9月6日 AFP】女子テニスのスローン・スティーブンズ(Sloane Stephens、米国)が5日、ソーシャルメディア上の執拗(しつよう)で「ぐったりする」ような暴言をシェアし、選手のメンタルヘルス問題に一石を投じた。

 全米オープン(US Open Tennis Championships 2021)の女子シングルス3回戦でアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)に敗れると、SNSは2000件以上の「暴言や怒りのメッセージ」であふれたというスティーブンズは、自身のインスタグラム(Instagram)に「私は人間」と投稿した。

 重圧の大きいスポーツにおけるメンタルヘルスの問題に意見を述べる黒人女子アスリートが相次ぐ中、同様に懸念を表明したスティーブンズは、「そういうメッセージを読むのはとてもつらいが、どんなものか分かってもらうためにいくつか掲載したい」と投稿した。

 スティーブンズが紹介した暴言の中には、「お前を見つけ出し、二度と歩けないように足を破壊すると断言する! きょうはコートでの最後の時間を楽しめたといいな」というものがあった。

 2017年の全米女王で、世界ランク3位まで上り詰めた経験もあるスティーブンズは、「こういうヘイトは本当にぐったりするし、果てしなく続く。これ以外にもまだあるし、本当にひどい」とコメントした。

 四大大会(グランドスラム)通算4勝の大坂なおみ(Naomi Osaka)は、メディアに過度に注目されることによってメンタルヘルスが悪化したとし、全仏オープン(French Open 2021)を途中棄権して続くウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)を欠場。これを機にプロアスリートの中でも特に女子選手や有色人種の選手が直面するメンタルヘルスの問題にスポットライトが当たった。

 3日に行われた全米3回戦で18歳のレイラ・フェルナンデス(Leylah Fernandez、カナダ)に敗れた大坂は、競技を離れ無期限の休養に入ると明かした。

 また、元ジュニア世界女王でアフリカ系米国人選手のテイラー・タウンゼント(Taylor Townsend)はCNNの取材に応じ、ソーシャルメディア上で汚い言葉でののしられ、「身体イメージや人種、肌の色」を非難する嫌がらせのメッセージがあったと話している。(c)AFP