【9月3日 AFP】アフガニスタン西部ヘラート(Herat)で2日、女性たちが異例の街頭デモを行い、イスラム主義組織タリバン(Taliban)の支配下でも娘たちが学校に通えるならば、全身を覆う衣服「ブルカ」の着用を受け入れると訴えた。

 デモには約50人の女性が参加。プラカードを掲げ、「教育、就業、安全は私たちの権利」とシュプレヒコールをあげた。

 2001年に米主導の軍事作戦によって崩壊した第1次タリバン政権では、女性は教育と就業がほとんど認められていなかった。女性は公共の場でのブルカ着用を義務付けられ、男性の付き添いなしでの外出も禁止され、街頭デモの実施はとうてい考えられないものだった。

 デモに参加した写真家・アーティストの女性はAFPの電話取材に対し、「私たちは、自分たちの権利のために集まっている」と説明。「そうしろと言われれば、ブルカを着用する覚悟もあるが、私たちは女性が学校や仕事に行けることを望んでいる」と語った。

 イランとの国境に近く、かつてのシルクロード(Silk Road)沿いにあるヘラートは、すでにブルカを着用している女性も見られるものの、比較的保守的な他の大都市とは違い、長年にわたり国際色がある都市となっていた。

 デモ主催者の一人であるバシラ・タヘリ(Basira Taheri)さんは、「政府樹立に向けた協議が行われているが、女性の参加については協議されていない」と指摘。「私たちも政府に参加したい。女性なしで政府は樹立できない。タリバンには、私たちとの協議の場を持ってほしい」と訴えた。

 タヘリさんによると、ヘラートではタリバン支配への恐怖と不安から「働く女性の大半が自宅にいる」という。別のデモ参加者の女性は、「意を決して職場に戻った医師や看護師といった女性たちの中には、タリバンからばかにされていると訴える人もいる」と説明。「タリバンは彼女たちに視線を向けたり、話しかけたりしない。怒った顔を見せるだけだ」と語った。(c)AFP