【8月26日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領批判派の急先鋒(せんぽう)である野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏が獄中から初めてインタビューに応じた。収容所の環境を中国の強制労働収容所になぞらえ、国営テレビの視聴を1日8時間強制されていると訴えた。

 ナワリヌイ氏は、首都モスクワから東に約100キロ離れたポクロフ(Pokrov)の収容所に収監されている。

 25日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に掲載されたインタビューの中で、ナワリヌイ氏は旧ソ連の収容所「グラグ(Gulag)」での強制労働の時代は終わり、代わりに洗脳とプロパガンダによる「心理的暴力」が行われていると語った。

 ナワリヌイ氏は、「タトゥーの入った腕っぷしの強い男たちが、特等席の窓際のベッドを奪い合い、ナイフを使ったけんかを日夜繰り広げているとイメージするかもしれない」と前置きした上で、「(しかし実際には)中国の強制労働収容所のようなものを想像する必要がある。皆が一列になって行進し、至る所に監視カメラがある、常時管理されており、密告の文化がある」と語った。

 受刑者は監視下で国家のプロパガンダを何時間も見せられ、何かを読んだり書いたりすることは許されず、眠ると起こされるという。

 ナワリヌイ氏はプーチン政権の将来について、楽観的な見方を示し、いつかは終わると主張した。「遅かれ早かれ、この過ちは正され、ロシアは民主的で欧州的な発展の道を歩みだす。国民が望んでいるというだけのことだ」

 一方、欧米諸国によるロシア制裁については、権力者ではなく庶民にダメージを与えるものだと再度批判した。

 また、他の受刑者らから暴行を受けたことはなく、一緒に食事を作るのは「楽しい」とさえ語った。(c)AFP